大学事典 「アルカラ大学」の解説
アルカラ大学[スペイン]
アルカラだいがく
スペインの首都マドリードから東へ30kmのアルカラ・デ・エナーレス(スペイン)にある公立大学。起源となる大学が誕生したのは1293年,司教座付属学校エストゥディオ・ジェネラーレとしてであり,その後,正式には1499年にシスネロス枢機卿により大学として設立された。聖職者の教育のみならず,官僚養成を目的とするものであった。16~17世紀に最盛期を迎え,エラスムスら国内外の人文主義者が迎えられ,スペイン初の文法書を手掛けたネブリーハ,E.A.deによって『多言語対訳聖書』を刊行。1836年にマドリードに移されたことにより,マドリード・コンプルテンセ大学とその起源を共有する。1977年にアルカラ大学として再建される。大学の建物も含めて所在地であるアルカラ・デ・エナーレスの歴史地区は,1998年に世界遺産(文化遺産)に登録されている。世界初の計画的大学都市であること,アメリカ大陸や他のヨーロッパ諸国の都市モデルになったこと,言語学などの学問の発展に尽くしたことが登録理由となっている。
著者: 安藤万奈
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報