物質の磁性が温度とともに変化する現象を利用した温度計で,常磁性体の磁化率に着目するもの,核磁気共鳴に着目するものなどがある。前者では,ミョウバン類,例えばCrK(SO4)2・12H2OやCr(CH3NH3)(SO4)2・12H2Oのほか,塩類,例えばCe2Mg3(NO3)12・24H2OやMn(NH4)2(SO4)2・6H2Oが用いられ,その磁化率が熱力学温度にほぼ反比例することに基づき,主として極低温の測定に適用されてきているが,真の熱力学温度を求めるためには,物質の種類,試料の性質の方向依存性などについての考慮が必要とされる。核磁気共鳴に着目する方法は,強磁性または反磁性の塩を対象として研究されてきており,30K以下の低温でのCrBr3の利用が有望視されている(共鳴周波数は40MHz付近と120MHz付近)。なお,核の電気四重極共鳴に着目する方法もあって,KClO3中のCl核の共鳴(28MHz前後)で常温以下を測る手法が実用化された。
執筆者:高田 誠二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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【温度計の種類と利用方法】
前述のように,温度計はまず接触方式のものと非接触方式のものとに大別されるが,現今広く利用されている温度計をここで2方式に区分し,それぞれに属する実用的な温度計の種類および使用温度範囲の概略を示せば,表1のようになる。 これらのほか学術上で重視されるものとして,熱力学的温度の測定に利用される気体温度計,熱雑音温度計,極低温領域の測定に利用される磁性温度計がある。なお,特殊な目的や原理に関係するものとして,表面温度計,示温塗料(サーモカラー),ゼーゲルコーン,カタ温度計,最高最低温度計,二色温度計(〈高温計〉の項目を参照),体温計などがある。…
※「磁性温度計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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