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高温超伝導 こうおんちょうでんどう

大辞林 第三版の解説

こうおんちょうでんどう【高温超伝導】

二〇 K (摂氏マイナス253度)以下で起こる通常の超伝導に対して、100 K (摂氏マイナス173度)程度あるいはそれ以上の温度で見られる超伝導現象。冷却剤として窒素が利用できるので、通常の超伝導より実用化に有利とされる。 → 超伝導

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

高温超伝導

超伝導は当初、絶対零度(約マイナス273度)近くまで冷やさねば起こらなかったので、応用は難しかった。80年代後半以降、マイナス200度前後という従来より高い温度でも超伝導を起こす、ビスマス系やイットリウム系などの高温超伝導物質が見つかり、実用化に向けた研究が続いている。

(2007-03-06 朝日新聞 夕刊 科学1)

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デジタル大辞泉の解説

こうおん‐ちょうでんどう〔カウヲンテウデンダウ〕【高温超伝導】

通常の超伝導体絶対温度約20度(セ氏マイナス約253度)以下で超伝導状態となるのに対し、これよりも高い温度で起こる超伝導のこと。一般には、液体窒素の沸点である絶対温度77度(セ氏マイナス196度)以上で起こるものをいう。
[補説]1986年に銅酸化物で初めて発見され、その功績によりベドノルツミュラーは翌年のノーベル物理学賞を受賞した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

高温超伝導
こうおんちょうでんどう
high temperature superconductivity; high Tc superconductivity

高い転移温度 Tcで起こる超伝導超伝導体は電力の損失のない理想的な導体だが,通常の常伝導状態から超伝導に変わる Tcが,従来知られていた超伝導体では絶対温度 25K以下であり,応用に限界があった。しかし,1986年にヨハネス・ゲオルグ・ベドノルツとカール・アレクサンダー・ミュラーにより,セラミックスの一種であるランタンバリウム系の酸化物で,Tcが約 30Kになることが発見された。また東京大学の田中昭二のグループにより,これが真に超伝導であることが確認された。この発見以後,猛烈な勢いで物質探索が行なわれ,発見された高温超伝導体の最高 Tcは 100Kをこえた。これは,沸点が 77Kの液体窒素によって簡単に超伝導が実現できるということであり,応用上,画期的なこととされた。今日では送電用のケーブルなどで利用されているが,合成の難しさもあり普及は限定的である。銅系の物質のほかにも,近年では東京工業大学の細野秀雄らが発見した系の物質や,有機物系の物質も見つかっている。それらの Tcは 77Kよりも低いが,Tcが 25K以上であれば高温超伝導と呼ばれている。通常の超伝導体と同様に,クーパー対と呼ばれる電子の対が超伝導を担っているが(→BCS理論),対の生成機構は異なると考えられている。

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