アルキメデスの公理(読み)アルキメデスのこうり(その他表記)archimedes' axiom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルキメデスの公理」の意味・わかりやすい解説

アルキメデスの公理
アルキメデスのこうり
archimedes' axiom

2つの量 (もしくは正数) ab があるとき,b を何倍かすると,いつかは a をこえる。これを,アルキメデス公理という。一般に,順序概念のある加法群で,ab>0 について anb となる n があるとき,アルキメデス的という。これは,n を十分大きくすれば,どんな a よりも nb が大きくなることを意味する。さらに分割が保証されていれば,これは (a/n)<b ,すなわち an 等分すればどんな正の数 b よりも a/n が小さくなることを意味する。これらは,アルキメデスより以前ユークリッドに多用され,エウドクソスによるものといわれ,ギリシア時代に実数の連続性にかかわる議論をするのに用いられたが,19世紀になって,実数の連続性が再び問題になるようになって,その原理の一つとなった。

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世界大百科事典(旧版)内のアルキメデスの公理の言及

【実数】より

…このように実数を分けると,(1)Aの元で最大のものがあるか,または,(2)Bの元の中に最小のものが存在する。またアルキメデスの公理Archimedes’ axiomと呼ばれる次の性質がある。〈α,βが正の実数であれば,nβ>αとなる自然数nが存在する〉。…

※「アルキメデスの公理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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