化学辞典 第2版 「アントシアニジン」の解説
アントシアニジン
アントシアニジン
anthocyanidin
アントシアニン(配糖体)を加水分解して得られる有色化合物で,20数種類が知られているが,すべて3,5,7-トリヒドロキシ-2-フェニルベンゾピリリウム骨格をもつ.フェニル基におけるヒドロキシ基置換の形式によって,3種類の型がある.(1)ペラルゴニジン型(4′-OH),(2)シアニジン型(3′,4′-OH),(3)デルフィニジン型(3′,4′,5′-OH).これらは塩酸塩の形で安定した結晶として得られ,その色は赤褐色または黒紫色であるが,アルコール溶液は鮮紅色または紫赤色を呈する.水,塩酸などに難溶,エタノール,メタノール,アミルアルコールなどに易溶,エーテル,石油エーテル,アセトン,ベンゼンなどに不溶.溶液は酸性で赤,中性で紫,アルカリ性で不安定な青色を呈する(可逆的).塩化鉄(Ⅲ)と複塩をつくり,深青色を呈する.配糖体であるアントシアニンでは,糖残基は3位または3,5位についている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報