改訂新版 世界大百科事典 「アントロデムス」の意味・わかりやすい解説
アントロデムス
Antrodemus
中生代ジュラ紀後期の代表的な肉食恐竜。獣脚亜目Theropodaに属する。二足歩行性。最大のものは体長13.5m,高さ5m。平均は体長10.5m,高さ4.5m,重さ3~4t,歩幅1.8m。前肢は短小で,後肢は強大。鳥のように前方に大きい指が3本,後方に小さい指1本がある。指の先はすべて鉤状となる。頭骨は高く,吻部(ふんぶ)はとがる。歯は鋭利で前後の縁には鋸歯が発達する。アパトサウルスApatosaurusのような巨大な恐竜をおそった。アメリカのユタ州,コロラド州,ワイオミング州,カナダ,東アフリカ,アジアから知られている。なお,同じ肉食恐竜アロサウルスは分類上このアントロデムス属に先取されると考える人もいる。
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執筆者:長谷川 善和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報