アンブッシュマーケティング(読み)あんぶっしゅまーけてぃんぐ(その他表記)ambush marketing

デジタル大辞泉 の解説

アンブッシュ‐マーケティング(ambush marketing)

《ambushは待ち伏せの意》オリンピックなどの大型イベントで、公式スポンサーではない企業が、そのイベントに関連した宣伝を行う便乗商法

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アンブッシュ・マーケティング
あんぶっしゅまーけてぃんぐ
ambush marketing

オリンピックやサッカーのワールドカップのような大型イベントに便乗して、公式スポンサーではない企業が関連商品の宣伝や販売をすること。便乗広告、便乗商法。アンブッシュは英語で「待ち伏せ」の意味である。企業が、無断でロゴや当該イベントを想起させるようなキャッチコピーを使用する手法や、会場内や周辺で公式スポンサーのように振る舞って宣伝する手法などがある。大会主催者は公式スポンサーに独占的に商標を使用させることで高額の契約金を得ており、便乗商法が横行すれば大会開催の財政基盤が揺らぎかねないため、警察などと連携して厳しく取り締まっている。しかし、巧みな便乗商法には太刀打ちできていない。

 たとえば、アメリカのスポーツ関連企業であるナイキは、公式スポンサーではないにもかかわらず、2012年のオリンピック・ロンドン大会の際、世界中の主要都市にあるロンドンと名のつく場所でスポーツに興じる人々を撮影したコマーシャルをつくった。また、2014年のワールドカップ・ブラジル大会では、同じくナイキが公式スポンサーであるアディダスよりも多くの代表チームに対してユニフォームを提供した。こうした宣伝手法には消費者に公式スポンサーであるかのような錯覚をおこさせる効果があるだけでなく、むしろ公式スポンサーよりも自由な宣伝活動を行えるなどのメリットもあるため、今後も新たなアンブッシュ・マーケティングの手法が生み出される可能性は高い。

[編集部]

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