出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
生物学用語。生態系内でのエネルギーの流れと物質循環において、生産者を直接または間接に摂食し、これを分解する過程で生じるエネルギーを利用して生活する生物をいう。有機栄養生物(従属栄養生物ともいう)のうち、いわゆる動物がこれにあたる。ドイツの陸水生物学者ティーネマンが1918年に初めて使用した。類語に分解者、対語に生産者がある。
生産者を直接摂食する植食動物と死んだ生産者(落ち葉や枯れ枝なども含む)を摂食する動物を第一次消費者とよび、これを摂食する動物を第二次消費者、以下順に第三次、第四次、……のようによんで細区分する。普通、消費者とはいわゆる動物をさすが、細菌類や菌類など分解者との区別は明確ではない。また、その機能から消費者という名称は適当でないという主張もあり、これに従えば第一次消費者を第二次生産者のようによぶ。
[牧 岩男]
…各地に広く分散している無数の生産者が製造する商品を,これまた広く各地に散在している不特定多数の消費者に,その種類・品質・数量など需要に応じて直接販売する機能をいう。現代の生産‐消費システムにおいては生産と消費の2極間には多くの不一致がみられる。…
…消費者運動の定義は必ずしも確定したものではない。消費者という語自体が多義的であり,通俗的には非生産的な存在であることを表すためや,単に顧客の同義語としても使われる。…
…われわれ人間を含めて光合成能をもたない非光合成生物は,植物体に蓄積された化学エネルギーを食物連鎖の過程を通じて順次,変換・消費して生活する。これらは消費者(1次,2次,……,n次)および分解者と位置づけられる。成長,増殖,運動などの仕事に使われたエネルギーの一部は生物体として蓄積されるが,最終的には熱エネルギーの形で再び宇宙に放散される。…
…
[生態系の構造]
生態系は生物的要素と非生物的要素によって構成される。生物的要素は生産者,消費者および分解者の三つに大別される。この命名はドイツの陸水学者ティーネマンA.Thienemannによるもので,生物群集を種という概念にとらわれず,主要な機能的側面を重視して位置づけている。…
…一次生産には,合成された有機物の総量で表される総生産Pgと総生産から呼吸による消費量Rを差し引いた純生産Pn=Pg-Rとが区別される。生態系における消費者である人間や動物が利用できるのは純生産の部分である。生産力(生産速度)は純生産/面積・時間として表すことができる。…
※「消費者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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