イエシェデ(読み)いえしぇで(その他表記)Ye śes sde

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエシェデ」の意味・わかりやすい解説

イエシェデ
いえしぇで
Ye śes sde

生没年不詳。9世紀初頭に活躍したチベットの僧。814年の『翻訳名義大集(みょうぎたいしゅう)』(訳語統一のために作成されたサンスクリット語チベット語の仏教語彙(ごい)集)編纂(へんさん)に参加し、当時のチベットで行われた国家的仏典翻訳事業の中心的立場にあった。「大校閲翻訳者」という称号をもつ。翻訳者としてかかわった仏典は二百数十点に及ぶが、当時のインド仏教諸学説を紹介した『見差別(けんさべつ)』と題する著作も残している。

[木村隆徳 2017年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android