イシュタルの冥界下降(読み)イシュタルのめいかいかこう(その他表記)Descent of Ishtar to the Nether World

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イシュタルの冥界下降」の意味・わかりやすい解説

イシュタルの冥界下降
イシュタルのめいかいかこう
Descent of Ishtar to the Nether World

バビロニア=アッシリア文学の一つ。アッカド語神話。前2千年紀のシュメール語版に,ほぼ同形の神話がある。アッカド語版には,ニネベのアッシュールバニパルの図書館跡出土のN版とアッシュール出土のA版との2種類がある。N版は前7世紀中頃のもので,後者はそれよりも少し古い。豊穣の女神イシュタル (シュメールのイナンナ) が,敵であり姉である冥界の女王エレシュキガルと対決するために冥界へ下降するが,拘留され,身代りを差出す条件で地上へ帰還して,留守中に喪に服さずにいた夫タンムズを身代りとして冥界へ降ろす物語。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android