地上(読み)チジョウ

デジタル大辞泉 「地上」の意味・読み・例文・類語

ち‐じょう〔‐ジヤウ〕【地上】

《古くは「ちしょう」》
地面の上。「地上8階建て」⇔地下
この世。「地上楽園
[補説]書名別項。→地上
[類語](1地面地べた地表地肌陸上大地/(2この世うつし世現世人界下界娑婆此岸苦界肉界人間界世界

ちじょう【地上】[書名]

島田清次郎の自伝的長編小説。大正8年(1919)、第1部「地に潜むもの」を刊行。以降、第2部「地にそむくもの」、第3部「静かなる暴風」、第4部「燃ゆる大地」を順次刊行。また続編に「改元」がある。昭和32年(1957)新藤兼人脚色、吉村公三郎監督により映画化

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精選版 日本国語大辞典 「地上」の意味・読み・例文・類語

ち‐じょう‥ジャウ【地上】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 古くは「ちしょう」 ) 土地の上。地面。地表。また、この世。現世。
    1. [初出の実例]「小児相勧分頭舞、取楽当地上仙」(出典菅家文草(900頃)二・南園試小楽)
    2. 「地上(チジョウ)に長き影法師」(出典:わかれ道(1896)〈樋口一葉〉下)
    3. [その他の文献]〔易経‐比卦〕
  3. じじょう(地上)

じ‐じょうヂジャウ【地上】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。初地(しょじ)以上の位。菩薩修行段階である五十二位のうちの、初地以上の位にあること。また、その人。
    1. [初出の実例]「俗形也と云へども、地上の菩薩深位の大士也」(出典:妻鏡(1300頃か))
  3. 浄瑠璃で、上音で語る地。三味線では、ふつう三の糸を用いる。
    1. [初出の実例]「地上頼むぞやいの、とせき上てわっと計りに、泣けるが」(出典:浄瑠璃・義経千本桜(1747)一)

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普及版 字通 「地上」の読み・字形・画数・意味

【地上】ちじよう(じやう)

大地の上。唐・李白〔静夜思〕詩 牀光を看る 疑ふらくは是れ地上の霜かと

字通「地」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「地上」の解説

地上〔映画〕

1957年公開の日本映画。監督:吉村公三郎、原作:島田清次郎、脚色:新藤兼人、撮影:中川芳久。出演:川口浩、田中絹代、野添ひとみ、香川京子佐分利信三宅邦子、川崎敬三ほか。第12回毎日映画コンクール女優助演賞(田中絹代)受賞。

地上〔雑誌〕

一般社団法人家の光協会が発行する業界・技術専門誌。おもに農業従事者向けの情報を紹介。1947年創刊。月刊。

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世界大百科事典(旧版)内の地上の言及

【島田清次郎】より

…回漕業を営んでいた生家の没落により金沢へ移り,県立金沢二中,明治学院普通部を転々としたのち,県立金沢商業を中退。1919年ひそかに書き上げた小説《地上》第1部を新潮社から出版したところ,年少の天才として世評を呼び,一躍流行作家となった。引き続き第2部(1920),第3部(1921),第4部(1922)が出版されたが,その内容は巻を追って低下し,名声も衰えた。…

【ドキュメンタリー映画】より

…フラハティはハリウッドのメジャー会社パラマウントに注目されて《モアナ》を撮り,つづいてW・S・バン・ダイク監督の《南海の白影》(1928)とF.W.ムルナウ監督の《タブウ》(1931)という2本の〈劇映画〉に協力させられるが,ハリウッドの商業主義と折り合いがつかず,イギリスに渡り,プロデューサーのマイケル・バルコンに完全な自由をあたえられて,北アイルランドのアラン諸島の孤島できびしい自然とたたかう人間の生活を描いた《アランMan of Aran》(1934)をつくり,ドキュメンタリーの先駆的開拓者としての業績によって,〈ドキュメンタリーの父〉と評されるに至った。
[第2次大戦前のドキュメンタリー]
 アメリカでは,フラハティの作品のほか,のちに特撮怪獣映画《キング・コング》(1933)を製作するメリアン・C.クーパーとアーネスト・B.シェードサックのコンビが,遊牧イラン民族を描いた《地上》(1926)やタイの稲作農民を描いた《チャング》(1927),探険家マーティン・E.ジョンソン夫妻が野獣の生態を撮影した《アフリカ遠征》(1923)などがつくられた。また,ペア・ロレンツの《平原を拓く鍬》(1936)と《河》(1937)はフラハティの流れをくむ詩情ゆたかなドキュメンタリーとして知られる。…

※「地上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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