イナンナ(英語表記)Inanna

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イナンナ」の意味・わかりやすい解説

イナンナ
Inanna

シュメール女神。古代メソポタミアの大女神イシュタルにその性格の一部が受け継がれた。タンムズ前身をなすドゥムジを夫にもつ。天界の女王であった彼女は,あるとき死者の国の女王である姉のエレシュキガルを訪問したが,冥府の掟に従い,七つの門を過ぎる間に身に着けていたみごとな衣装を次々にはぎ取られ,裸にされてエレシュキガルの前に連れてこられたところを,冥府の神々の「死の視線」を浴びせられ,死体になった。エンキ神(→エア)の介入によってイナンナは復活し上界に帰ることができたが,彼女はその際,同行してきた冥府の使者に自分の身代わりとして夫のドゥムジを引き渡したという(→地獄下り)。

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