日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
イズゥレ・ルゥバティエール
いずぅれるぅばてぃえーる
Jean Bernard Joachim Izoulet-Loubatière
(1854―1929)
略称イズゥレ。フランスの社会学者。地方の小都市ミラモンに生まれ、エコール・ノルマル・シュペリュール(高等師範学校)を卒業。学位論文『近代都市、別名社会学の形而上(けいじじょう)学』は1895年に刊行されたが、当初は『聖なる都市、別名反マルクス主義』と題する予定であったし、1930年版はこの題名で刊行された。イズゥレの最大の関心は宗教問題、とくに宗教と国家との関係の問題にあったが、本書では、「都市のなかでエリートと群衆とを正しく均衡させること」が大きな社会問題とされている。彼によれば位階制の存在は「根本法則」である。彼はマルクスを「超カトブレパス」(カトブレパスは怪獣名)とよんでいる。ほかに主著として『学校と国家とへの神の帰還』(1924)などがある。1897年から1929年までコレージュ・ド・フランスの社会哲学教授を務めた。
[古賀英三郎]