日本大百科全書(ニッポニカ) 「イズベスチア」の意味・わかりやすい解説
イズベスチア
いずべすちあ
Известия/Izvestiya
旧ソ連政府の機関紙として1917年ペトログラード(サンクト・ペテルブルグ)で創刊された新聞。共産党機関紙『プラウダ』とともに代表的な新聞として存在した。「イズベスチア」はロシア語でニュースの意。ソ連解体後1991年に独立し、新興財閥オネクシム銀行グループの支配下に入った。発行部数24万部(2008)。歴史的には、ソビエト連邦労働者代表『ソビエト通報』として、最高会議幹部会が発行、ソ連政府と外国政府の関係、中央・地方各レベルの政府活動を中心に報道された。フルシチョフ首相の女婿アジュベイ編集長時代(1958~1964)に紙面を刷新、部数を急増させ、一時は1000万部を超えていた。1997年4月、チェルノムイルジン首相の私財蓄積疑惑を報道したため、株主の介入を受け分裂、ゴレムビオスキー元編集長は、同年11月『新イズベスチア』を新たに創刊した。しかし、本体の『イズベスチア』は経営主が転々とし、2005年6月ガスプロムが買収、さらに2008年には「全国メディアグループ」が経営権を取得した。
[小松原久夫]