日本大百科全書(ニッポニカ) 「イテリメン語」の意味・わかりやすい解説
イテリメン語
いてりめんご
Ительмен/Itel'men
ロシア連邦カムチャツカ半島西部のコリヤーク自治管区ティギリ地区に居住するイテリメン人の言語で、旧アジア諸語のチュクチ・カムチャダール語群に属する。自称はイテリメン語だが、カムチャダール語Камчадал/Kamchadalともよばれてきた。ロシア語化が進み、2429人(1989)の人口に対して約100人(1989)ほどがイテリメン語を話すのみである。名詞は生物と無生物に分かれ、生物は7格、無生物は8格に変化する。動詞は目的語を含む対象活用と、これを含まない主体活用に変化する。watš-anke「石へ」、t-antsp-tseʔn「私が・教える・彼らを」。
[小泉 保]