日本大百科全書(ニッポニカ) 「イビコス」の意味・わかりやすい解説 イビコスいびこすIbykos 生没年不詳。紀元前6世紀中ごろのギリシアの叙情詩人。南イタリアのレギオンの人。サモスの僭主(せんしゅ)ポリュクラテスに招かれて、一種の宮廷詩人として過ごしたこともある。合唱詩のなかに神話伝説を盛り込む手法は、すでにステシコロスから始まっていたが、これを踏襲しながら、個人的な感情を歌い込むという独自の詩風を確立している。また、神話伝説以外にも、合唱詩形のなかで多彩な恋の感情を表現し、恋愛詩人としての評判を得ている。[橋本隆夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例