感情(読み)かんじょう(英語表記)feeling

翻訳|feeling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

感情
かんじょう
feeling

日常用語としてもさまざまの意味で用いられるが,心理学的な定義も必ずしも明確ではない。普通,広義には,精神の働きを知,情,意と3分したときの情的過程全般をさし,情動気分情操,興味などが含まれる。また,えん根,嫉妬などの複合感情もある。狭義には,これらの情的過程に共通して認められる要素的感情としての快・不快をさす。 feelingという言葉の起源は「触れて知る」ことであり,やがて感覚器官を通さずに知覚することを意味するようになった。しかし,感情と感覚との関係については議論が多く,感情は感覚とは独立の過程であるとすると,感情は感覚 (特に皮膚感覚内臓感覚) に帰着するとする説とに分れている。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐じょう〔‐ジヤウ〕【感情】

物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。快・不快、好き・嫌い、恐怖、怒りなど。「感情をむきだしにする」「感情に訴える」「感情を抑える」「国民感情を刺激する」

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百科事典マイペディアの解説

感情【かんじょう】

意識内容のうち最も主観的な側面,言い換えると,状況や対象に対するその主体独自の態度や価値づけを感情と呼ぶ。英語feeling,affectionなどに相当する。怒り,恐れ,喜び,悲しみなど一時的な最も激しい感情を情動(情緒)emotionという。情動には顕著な生理的変化が伴い,また身体的表出がみられる。反対に,穏やかな持続的感情で,学問,道徳,芸術,宗教などの文化的価値を帯びた対象に向けられるものは情操sentimentである。また,特定の対象によってひき起こされたものではない微弱で持続的な感情を気分moodと呼ぶ。その他,興味,衝動,欲求,情熱,情調なども感情の一種と考えられている。感情の方向としては,通常,快―不快が最も根本的な次元とされているが,興奮―沈静,緊張―弛緩(しかん)の2次元を別に認めるものもある。古来,知性,意志とともに3大心的能力とされ,その身分や三者の関係について多くの議論がある。
→関連項目感性

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世界大百科事典 第2版の解説

かんじょう【感情】

〈気持〉〈心持〉のような,人間の心理状態の受動的で主観的な側面をいう。感情には,〈明るい気分〉〈けだるい気分〉〈気分が良い・悪い〉と言われる場合の気分のように,身体の生理的状態の意識への反映と思われる微弱だが持続的なものから,漠然とした快・不快感,激しい欲情や嫌悪感,〈躍り上がって喜ぶ〉とか〈涙を流して悲しむ〉といった身体的表出をともなう激しい情動,ある種の欲望に似た強く持続的な情熱,さらに宗教的感情のようなある種の価値への畏敬の感情にいたるまで実に多様な心的状態が含まれる。

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大辞林 第三版の解説

かんじょう【感情】

喜んだり悲しんだりする、心の動き。気持ち。気分。 「 -に訴える」 「 -を顔に出す」 「 -を害する」 「 -に走る」 「 -を込めて歌う」
〘心〙 ある状態や対象に対する主観的な価値づけ。「美しい」「感じが悪い」など対象に関するものと、「快い」「不満だ」など主体自身に関するものがある。また、一時的なものを情動、持続的なものを気分と呼び分ける場合もある。 → かんせい(感情)
[句項目] 感情を害する

かんせい【感情】

〔「せい」は漢音〕
物事に感じて起こる心のはたらき。特に、しみじみとした感情。かんじょう。 〔色葉字類抄〕 〔明治以降は一般に「かんじょう」とよまれた〕

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世界大百科事典内の感情の言及

【感情】より

…〈気持〉〈心持〉のような,人間の心理状態の受動的で主観的な側面をいう。感情には,〈明るい気分〉〈けだるい気分〉〈気分が良い・悪い〉と言われる場合の気分のように,身体の生理的状態の意識への反映と思われる微弱だが持続的なものから,漠然とした快・不快感,激しい欲情や嫌悪感,〈躍り上がって喜ぶ〉とか〈涙を流して悲しむ〉といった身体的表出をともなう激しい情動,ある種の欲望に似た強く持続的な情熱,さらに宗教的感情のようなある種の価値への畏敬の感情にいたるまで実に多様な心的状態が含まれる。いずれもわれわれにとってきわめて身近なものでありながら,この感情の学問的解明は遅れており,相互に対立し合うさまざまな説明が与えられている。…

【感情論】より

…広義の感情についての理論的な考察。広義の感情のなかには,情動,情念,それと狭義の感情が含まれるから,感情論には,情動(情緒)論や情念論も含まれることになる。…

※「感情」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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