日本大百科全書(ニッポニカ) 「イボオコゼ」の意味・わかりやすい解説
イボオコゼ
いぼおこぜ / 疣虎魚
rough velvetfish
[学] Aploactis aspera
硬骨魚綱スズキ目イボオコゼ科に属する海水魚。相模(さがみ)湾から九州南岸の太平洋、長崎県沖、台湾、オーストラリア、ニュー・カレドニアに分布する。体は細長く、側扁(そくへん)する。体に鱗(うろこ)がなく、絨毛(じゅうもう)状の棘(とげ)で密に覆われ、体表面はベルベット状である。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)の縁辺に5本の明瞭(めいりょう)な棘がある。背びれは目の後ろから始まり、低くて、軟条部は後方に向かって高くなる。腹びれは1棘(きょく)2軟条。臀(しり)びれは1棘13軟条。浅海の砂泥底にすむ。全身はほとんど一様に黒色。体長は10センチメートルほどにしかならない。
[尼岡邦夫]