日本大百科全書(ニッポニカ) 「イマームル・ハラマイン」の意味・わかりやすい解説
イマームル・ハラマイン
いまーむるはらまいん
Imām al-aramain
(1028―1085)
スンニー派イスラム神学者。イマームル・ハラマインは尊称であり、本名はアブル・マアーリー・アル・ジュワイニーAbūl-Ma'ālī al-Juwainīという。ネイシャーブール(ニシャブール)のニザーミーヤ学院の院長を務めた。有名なアブー・ハーミド・ガザーリーは彼の弟子。イマームル・ハラマインは精緻(せいち)な知識論を根拠にして、スンニー派イスラム神学の体系化に貢献した。彼は神学的論証の論理的厳密性を重視し、種々の神学上の主題を詳細に分析し綿密な論証を行っている。とりわけ彼の言語論は、現代の意味論における内的言語の問題に通ずる部分があり、注目されている。
[松本耿郎 2018年4月18日]
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