日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワサキセダカヘビ」の意味・わかりやすい解説
イワサキセダカヘビ
いわさきせだかへび
[学] Pareas iwasakii
爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。沖縄県八重山列島(やえやまれっとう)の石垣島、西表島(いりおもてじま)に固有の珍しい種で、1937年(昭和12)に初めて記録されて以来、現在まで少数個体しか採集されていない。全長60センチメートルほどの小形種で、胴は側扁(そくへん)し、頭部は大きめで吻部(ふんぶ)は丸みを帯びる。他のヘビと異なり、下あごの咽頭板(いんとうばん)は左右不対称で中央に溝がない。上顎骨(じょうがくこつ)の先端部には歯がなく下あごの歯が長いのは、この類の餌(えさ)がカタツムリ、ナメクジ、ミミズなどであるという食性と関係あるものと考えられる。樹上性で、目が大きく瞳孔(どうこう)が縦長で、夜間に行動する。
[松井孝爾]