インジェクションメタラジー(その他表記)injection metallurgy

改訂新版 世界大百科事典 の解説

インジェクションメタラジー
injection metallurgy

溶銑あるいは溶鋼中にガスや粉体を吹き込むことにより,浴の攪拌かくはん)や精錬を行う冶金操作をいう。溶銑予備処理における脱硫剤,脱リン剤の吹込み,底吹転炉やステンレス製鋼法の一つであるAOD炉における酸素の吹込み,さらには転炉の複合吹錬や各種取鍋(とりなべ)精錬における不活性ガスまたは石灰粉,カルシウム合金などの吹込みは,鋼の品質向上,精錬時間の短縮の面で大きな役割を果たし,現在の製鋼プロセスにおいて重要な位置を占めるようになった。インジェクション精錬において,吹込みガスの挙動は,羽口の損耗,溶鋼の流動,ガスや粉体の反応性に大きな影響を及ぼす。粉体インジェクションについては,配管内粉体の円滑な搬送条件と吹込みノズルにおける閉塞防止条件をともに満足させることが必要であり,原理的に反応界面積の増大によって平衡状態に速く到達させることができ,また揮発しやすい物質の場合には蒸発ロスを減少させることができる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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