インド総選挙

共同通信ニュース用語解説 「インド総選挙」の解説

インド総選挙

下院定数のうち大統領指名の2議席を除く543議席を全国の小選挙区で争う。任期は5年。広大な国土選挙管理や治安要員を確保する必要があるため、投票は複数回に分けて実施する。第1党となった政党首相候補に、大統領が組閣要請するのが通例。2009年の前回下院選には約360政党から約8千人が立候補し、有権者は約7億1千万人だった。今回の総選挙では有権者が8億人を超え、投票は4月から10回に分けて行った。(ニューデリー共同)

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知恵蔵 「インド総選挙」の解説

インド総選挙

民主主義を独立以来の国是とするインド最大の政治イベント。有権者数は世界最多の6億7000万人という「世界最大の民主主義国」を象徴する行事だ。前回総選挙は任期満了に伴い、2004年4〜5月に地方ごとに異なる投票日程で実施された。その結果、選挙前の多くの予想に反し、インド国民会議派がインド人民党を破って第1党になり、8年ぶりに政権に復帰した。単独過半数には達しなかったため、地方政党などとの連立を組み、マンモハン・シン元財務相が首相に選ばれた。開票直後は故ラジブ・ガンジー元首相の妻、ソニア・ガンジー国民会議派総裁の首相就任が有力視された。ところが、イタリア出身であることを理由に野党からの批判が起き、就任を辞退した。インド人民党が率いた前政権下で発展から落ちこぼれた貧困層、農民などから批判票を集めたことが国民会議派勝利につながったとみられる。インドは選挙の「電子化」に力を入れており、04年の総選挙から全国に107万台の電子投票機を導入。開票作業の時間短縮や不正投票の防止に威力を発揮すると共に、読み書きができない貧困層の投票参加にも追い風になった。

(竹内幸史 朝日新聞記者 / 2007年)

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