日本大百科全書(ニッポニカ) 「うなゐの友」の意味・わかりやすい解説
うなゐの友
うないのとも
明治時代、玩具(がんぐ)収集愛好趣味を最初に紹介した玩具画集。著者は「玩具博士」とよばれた清水晴風(しみずせいふう)。1880年(明治13)東京・向島(むこうじま)の料亭で、幼友達と竹馬会という集まりを催したとき、各人が持ち寄った玩具類の美に感動した晴風は、全国各地の伝承的玩具の収集を志し、画集として出版。91年初編以来、1913年(大正2)6編まで刊行した。彼の死後、画家西沢笛畝(てきほ)が継ぎ、24年10編まで担当、完結した。「うなゐ」は子供の髪形や童児のことで、「うなゐの友」はおもちゃをさす。この画集は近世玩具研究の文献として貴重な存在で、郷土玩具収集愛好運動の草分け的役割を果たした。
[斎藤良輔]