ウパナヤナ(その他表記)upanayana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウパナヤナ」の意味・わかりやすい解説

ウパナヤナ
upanayana

ヒンドゥー教徒の宗教的,社会的儀式の一つ。4住期の第1番目の学生期に入る入門式で,この儀式により初めてカースト一員としての資格を得る。入門式の時期は,バラモンは8~16歳,クシャトリヤは 11~22歳,バイシャは 12~24歳と定められている。入門者は新しい衣を着け,21本の薪を持って師 guruの家に行く。この際バラモンは木綿の聖紐を左肩から右脇の下に掛ける。この儀式が終るとヒンドゥー教徒として生れ変るというので,上位3カーストは再生族 dvijaと呼ばれる。 (→アーシュラマ )  

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世界大百科事典(旧版)内のウパナヤナの言及

【カースト】より

…この語に〈身分〉〈階級〉の意味が加わり,混血が進み肌の色が身分を示す標識でなくなったあとにおいても,この語は依然として〈身分〉〈階級〉の意味に使われ続けたのである。4バルナのうち上位の3バルナは再生族(ドビジャdvija)と呼ばれ,これに属する男子は10歳前後に入門式(ウパナヤナupanayana(2度目の誕生))を挙げ,アーリヤ社会の一員としてベーダの祭式に参加する資格が与えられる。これに対しシュードラは入門式を挙げることのできない一生族(エーカジャekaja)とされ,再生族から宗教上,社会上,経済上のさまざまな差別を受けた。…

【バルナ】より

…以上の4バルナのうち上位3バルナは再生族(ドゥビジャdvija)と称され,自分のための祭式挙行,ベーダ聖典の学習,布施の三つを共通の義務としている。再生族に属する男子は10歳前後にウパナヤナupanayana(入門式,2度目の誕生)をあげ,アーリヤ社会の一員としてベーダの祭式に参加する資格が与えられる。これに対しシュードラは入門式をあげることができない一生族(エーカジャekaja,母胎から生まれるだけの者)とされ,再生族からさまざまな差別を受けた。…

※「ウパナヤナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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