一員(読み)イチイン

デジタル大辞泉 「一員」の意味・読み・例文・類語

いち‐いん〔‐ヰン〕【一員】

団体を構成する一人。「家族一員
律令制で規定された各省や寮の役人の中の一人。
靫負ゆげひすけ―など、ひきつくろひたるけしき、心異なるべし」〈今鏡・一〉
[類語]成員メンバー会員団員顔ぶれ委員一人

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精選版 日本国語大辞典 「一員」の意味・読み・例文・類語

いち‐いん‥ヰン【一員】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制において規定された、各省寮司の定数が一であること。
    1. [初出の実例]「応置陸奥国少掾一員事〈略〉加掾一人以済庶務者」(出典:類聚三代格‐五・仁寿四年(854)八月一日)
  3. 近衛府将監(しょうげん)将曹(しょうそう)・府生(ふしょう)兵衛府衛門府の尉(じょう)・志(さかん)・府生をいう。楽人や舞人が多く任じられた。
    1. [初出の実例]「舞人一員をめしくして春日社に御幸あり」(出典:春日権現験記絵詞(1309)二)
  4. ひとり。特に団体を構成する一人をいう。
    1. [初出の実例]「巳刻法花衆陣中喧嘩。入道一員剪倒也」(出典:鹿苑日録‐天文五年(1536)七月二三日)
    2. 「家庭の一員として暮した事のない私のことだから」(出典:こゝろ(1914)〈夏目漱石〉九)

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