改訂新版 世界大百科事典 「ウレイン」の意味・わかりやすい解説
ウレイン
ureine
尿素(H2N)2COの水素原子をアルキル基Rで置換した化合物の総称で,アルキル尿素alkylureaともいう。イソシアン酸H-N=C=O,イソシアナートR-N=C=Oあるいは塩化カルバモイルR2NCOClに第一または第二アミンを作用させれば,(H2N)(RNH)CO,(RNH)2CO,(RNH)(R2N)COが得られ,ホスゲンCOCl2に第一あるいは第二アミンを作用させれば,(RNH)2COあるいは(R2N)2COが得られる。また一酸化炭素と第一または第二アミンをセレンあるいは金属カルボニルを触媒として反応させて合成する方法もある。置換尿素は弱い塩基として作用する。熱によりイソシアナートとアミンに分解し,一部はさらにビュレットになる。N-メチル-N-ニトロソ尿素類は水酸化アルカリの作用でジアゾメタンを生ずるので,その発生源として有用である。N-メチル尿素は,水,エチルアルコールによく溶ける融点102℃の白色の結晶である。テトラメチル尿素は無色の液体で沸点177.5℃。エチルアルコール,エーテルによく溶ける。
執筆者:岡崎 廉治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報