ウールワースビル(英語表記)Woolworth Building

改訂新版 世界大百科事典 「ウールワースビル」の意味・わかりやすい解説

ウールワース・ビル
Woolworth Building

ニューヨークマンハッタンにある超高層建築。高さ222.2m。ギルバートCass Gilbert(1859-1934)が実業家ウールワースの社屋として設計し,1913年に完成。1870年以降のニューヨークの超高層ビルは本体部分の上に塔を載せてより高くみせ,壁面を階段状に後退させ,かつ外面装飾を施すなどの造形的デザインが主流となっていたが,このビルはその代表的作品。後期ゴシック的な外観から〈大聖堂風の商業建築〉と呼ばれた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウールワースビルの言及

【スカイスクレーパー】より

…一方,20世紀初頭のニューヨークでは,頂上に尖塔をのせ,随所に装飾を施した折衷様式の高層建築が流行し,シカゴの箱型建築と対比をなした。シンガー・ビル(1907)やウールワース・ビル(1913,C.ギルバート)などが代表例。大恐慌後の一大建設ブームの中で,クライスラー・ビル(1930,W.バン・アレン),エンパイア・ステート・ビル(1931,シュリーブ,ラム,ハーモン),ロックフェラー・センター(1931‐40,R.フードほか)が世界最高を競いあい,第2黄金期を築いた。…

【超高層建築】より

…その結果,ニューヨークでは20~30階建ての超高層建築が建設されるようになり,さらに,06年,H形鋼や広幅の鉄骨ばりが生産されると,40~50階とさらに階数を増していった。そして13年には商業の大聖堂と呼ばれるゴシック様式のウールワース・ビル(57階)が完成し,商業古典主義を代表する超高層建築となったのである。一方,20年代に入ると,フォードに代表される自動車産業をはじめとする各種産業が,第1次世界大戦後の好景気とあいまって興隆し,これを背景にニューヨークの町は土地投機の対象となり,土地価格を高騰させる結果となった。…

※「ウールワースビル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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