エセルレッド2世(その他表記)Ethelred II

改訂新版 世界大百科事典 「エセルレッド2世」の意味・わかりやすい解説

エセルレッド[2世]
Ethelred II
生没年:968?-1016

ウェセックス王家のイングランド王。在位978-1016年。エドガー王の子。異母兄エドワード殉教王が謀殺されたため即位(謀殺は彼の指図といわれる)。決断力を欠いたため〈怠慢王the Unready〉〈不決断王the Redeless〉とも呼ばれる。しばしばバイキングの大規模な侵入を受け,そのつど巨額の宥和金(デーンゲルド)を支払って平和を購い,その重税により国民を苦しめた。1013年デンマーク王スベン1世が侵入した時には,国土・人民をすてて妃の出身地ノルマンディーに亡命。翌14年帰国したがまもなく没。その後国土はスベンの子クヌット2世に征服された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエセルレッド2世の言及

【デーン人】より

…10世紀に入り,イングランド諸王は反撃を開始し,同世紀半ばころまでにはデーンロー地方を服属させたが,同世紀末には再び北欧からの大規模な侵入が再開され,デーンローのデーン人もこれに呼応して立ち上がった。イングランド王エセルレッド2世はその攻撃をかわすため,デーンゲルドという税を徴収して彼らに与えて平和をあがなったが,1016年デンマーク王子クヌットはついにイングランドを征服して王となり,デーン朝を開いた。彼はまもなくデンマーク王となり,ノルウェー王をも兼ね,スウェーデンの一部をも支配する北海帝国を建設したが,このころがデーン人の活動の最盛期であった。…

※「エセルレッド2世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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