デーンゲルド(英語表記)Danegeld

翻訳|Danegeld

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デーンゲルド」の意味・わかりやすい解説

デーンゲルド
Danegeld

中世イギリスで全国的に徴収された地租。デーン税の意。本来デーン人に与えて彼らの侵攻宥和するため徴収されたのでこの名がある。 991年アゼルレッド2世のときに始り,カヌート王のときはヘレゲルドと呼ばれて常備軍への給料支払いにあてられた。エドワード (懺悔王) 時代に一時中止されたが,ウィリアム1世復活,通常1ハイドにつき2シリングの率で徴収された。 1162年廃止。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のデーンゲルドの言及

【エセルレッド[2世]】より

…決断力を欠いたため〈怠慢王the Unready〉〈不決断王the Redeless〉とも呼ばれる。しばしばバイキングの大規模な侵入を受け,そのつど巨額の宥和金(デーンゲルド)を支払って平和を購い,その重税により国民を苦しめた。1013年デンマーク王スベン1世が侵入した時には,国土・人民をすてて妃の出身地ノルマンディーに亡命。…

【デーン人】より

…10世紀に入り,イングランド諸王は反撃を開始し,同世紀半ばころまでにはデーンロー地方を服属させたが,同世紀末には再び北欧からの大規模な侵入が再開され,デーンローのデーン人もこれに呼応して立ち上がった。イングランド王エセルレッド2世はその攻撃をかわすため,デーンゲルドという税を徴収して彼らに与えて平和をあがなったが,1016年デンマーク王子クヌットはついにイングランドを征服して王となり,デーン朝を開いた。彼はまもなくデンマーク王となり,ノルウェー王をも兼ね,スウェーデンの一部をも支配する北海帝国を建設したが,このころがデーン人の活動の最盛期であった。…

※「デーンゲルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android