即位(読み)そくい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

即位
そくい

天皇が位につくこと。「令」の規定には「およそ天皇位に即きたまはば,すべて天神地祇を祭れ」とあり,これは大嘗祭のことである。「令」にはさらに践祚 (せんそ) についての規定がある。『令義解 (りょうのぎげ) 』はこれを説明して「天皇の位に即きたまふ,これを践祚といふ」とあり,このときに神器 (→三種の神器 ) を受けるとしている。すなわち先帝が譲位,あるいは崩じると新帝はまず神器を受けて践祚し,のちに日を選んで大嘗祭を行い神祇および百官にこれを告げるのである。この2つの行事が分れたのは平安時代初期の桓武天皇以後でそれ以前には分離していなかった。即位を日嗣 (ひつぎ) とも称するが出雲国造家に伝わる火継式もこれに類するものであった。

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百科事典マイペディアの解説

即位【そくい】

君主が位につくこと,また天皇が皇位につくこと。皇室典範では天皇が崩じたとき,天皇の地位を継ぐべくあらかじめ定められていた皇子(皇嗣)が直ちに即位し,即位の礼を行うと規定している。旧皇室典範は践祚(せんそ)と即位とを分けており,現行皇室典範の即位はその践祚に当たる。→皇位
→関連項目譲位

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世界大百科事典 第2版の解説

そくい【即位】

君主が位につくこと,また天皇が皇位につくこと。君主の即位については〈〉の項を参照されたい。天皇の即位は,践祚(せんそ)と同義であるが,平安時代の初め,践祚(譲位)の儀と即位の礼が分離してからは,皇位継承の実質は践祚に移り,即位は皇位についた天皇がそれを天下に宣布する儀礼となった。
[儀制の変遷]
 践祚=即位の儀についてやや具体的な内容を伝える最初は,690年の持統天皇即位の《日本書紀》の記述である。

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大辞林 第三版の解説

そくい【即位】

( 名 ) スル
君主・天皇の位につくこと。 「幼くして-する」
即位式」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

即位
そくい

皇嗣(こうし)が天皇の位を継承することで、「しょくい」とも読む。天皇が位につくことを国語では「アマツヒツギシロシメス」ということばで表現したが、これにあてられた漢語が践祚(せんそ)、即位であり、本来区別なく用いられていた。この即位(践祚)の規定は養老令(ようろうりょう)では神祇(じんぎ)令のなかにみえるが、持統(じとう)天皇(在位687~697)の即位の際、物部(もののべ)が大盾を立て、中臣(なかとみ)が天神寿詞(あまつかみのよごと)を奏し、忌部(いんべ)が神璽(しんじ)の剣鏡を奉り、百官が羅列して拍手し、新帝を拝したという記事もその規定とよく一致するので、さかのぼって浄御原(きよみはら)令におけるなんらかの規定も想定しうる。ところが、桓武(かんむ)天皇(在位781~806)が受禅ののち、日を隔てて即位の儀を行った例を初めとして、践祚と即位が別の儀式として分離されるのが例になると、即位の語は、皇位の継承を諸神・皇祖に告げ、天下万民に宣する儀式(即位式)をさすものとなっていった。『弘仁(こうにん)儀式』では譲国儀と即位儀が区別され、『貞観(じょうがん)儀式』に至って唐風を加味した盛大な次第が定まり、以後の範となった。その大要を示すと、式日に先だっては、即位の由を告げるために伊勢(いせ)神宮に幣帛(へいはく)を奉り(由奉幣(よしのほうべい))、諸陵墓に告陵使を派遣する。また当日着用の冠服を覧ずる(礼服御覧(らいぶくごらん))。当日は庭前に日月幢(じつげつのどう)、四神および万歳旗、陣鉾(じんのほこ)を立て、冕服(べんぷく)を着けた天皇が高御座(たかみくら)につき、宣命大夫(せんみょうのたいふ)が即位宣命を読むとともに、礼服を着用して列立する百官は拝舞し、武官は旆(はた)を振って万歳を称した。この即位の儀式は、大極殿(だいごくでん)で行う例であったが、1177年(治承1)に焼亡して以来再建されなかったため、安徳(あんとく)天皇は紫宸(ししん)殿、後鳥羽(ごとば)天皇以後は太政官庁で、さらに後柏原(ごかしわばら)天皇以後は紫宸殿で行われた。
 明治天皇のときに至り、礼服、高御座にかえて、衣冠束帯を用いるなど、従前の唐風を改めてわが国固有の儀に従うという方針に基づく新様式の即位式が行われたが、その後、旧皇室典範(1889)、登極令(1909)において、即位の礼は秋冬の間に京都で行うことなどの詳細が定められた。現在の皇室典範では「皇位の継承があったときは、即位の礼を行う」(24条)と定められている。[杉本一樹]

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世界大百科事典内の即位の言及

【践祚】より

…皇位につくこと。天子が位につくと,宗廟の祚(阼)=東階をのぼって祭祀をつかさどるという中国の古典に由来する語で,即位と同じ意味である。しかし平安時代以降,践祚と即位が別個の儀礼となる一方,譲位が常例化するにともない,おもに先帝の没後をうけた場合に践祚の語を用いるようになった。…

※「即位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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