エピステメ(その他表記)epistēmē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エピステメ」の意味・わかりやすい解説

エピステメ
epistēmē

科学的知識,職業的専門的知識,知識一般をさすが,哲学上の用語としては,実践的知識 (フロネーシス) に対して理論的知識,あるいは感性に基づく臆見 (→ドクサ ) に対して真なる知識をいう。ドクサとエピステメの区別はすでにパルメニデスに見出されるが,それをさらに明白に区別したのはプラトンであり,彼はエピステメとエイドス (→形相 ) を密接に関連させつつ,ドクサとアイステタ (感性的にとらえられたもの) に対立させることによって,真なる知識の位相を認識論的,存在論的に明らかにした。アリストテレスにおいては,必然的永遠的なものを対象とする認識能力をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android