エピステメ(その他表記)epistēmē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エピステメ」の意味・わかりやすい解説

エピステメ
epistēmē

科学的知識,職業的専門的知識,知識一般をさすが,哲学上の用語としては,実践的知識 (フロネーシス) に対して理論的知識,あるいは感性に基づく臆見 (→ドクサ ) に対して真なる知識をいう。ドクサとエピステメの区別はすでにパルメニデスに見出されるが,それをさらに明白に区別したのはプラトンであり,彼はエピステメとエイドス (→形相 ) を密接に関連させつつ,ドクサとアイステタ (感性的にとらえられたもの) に対立させることによって,真なる知識の位相を認識論的,存在論的に明らかにした。アリストテレスにおいては,必然的永遠的なものを対象とする認識能力をいう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android