日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
エンカウンター・グループ
えんかうんたーぐるーぷ
encounter group
人間的な出会いのグループである。通常10~15人の参加者と1~2人のファシリテーターfacilitator(促進者)で構成され、2~5日の合宿で行う。参加者はおもに健常な学生や勤労者であるが、通例、公の場では話せない意思や感情を率直に表明しあい、自己成長や対人関係の発展と改善を図る。レビンによる人間関係のための技法訓練としてのトレーニング・グループtraining groupと、ロジャーズの心理的成長を目ざすベーシック・エンカウンター・グループbasic encounter groupに代表されるさまざまな集中的グループ経験が、「人間性回復運動」として1960年代にアメリカで広がったものである。いわゆるエンカウンター・グループは、この動向全体を意味している。日本ではロジャーズ流のグループが70年(昭和45)ごろ盛んに取り入れられたが、ほかにも種々の形式がある。
[台 利夫]