改訂新版 世界大百科事典 「オッペル」の意味・わかりやすい解説
オッペル
Albert Oppel
生没年:1831-65
ドイツの地質学・古生物学者。ミュンヘン大学教授(1861-65)。ヨーロッパ各地(ドイツ,イギリス,フランス)に分布する中生代ジュラ紀の地層を詳しく研究し,《ジュラ紀層Die Juraformation Englands,Frankreichs und des Südwestlichen Deutschlands》(1856-58)を出版した。その中で,地層が,中に含まれるアンモナイトなどの化石の種によって細かく区分でき,またその化石によって広い地域の同じ時代の地層が,岩質が違っていても対比しうることを示した。その区分された地層を帯zoneとよぶことを提唱した。帯(化石帯ともいう)は,地質学で地球の歴史を組み立てるうえでの重要な概念の一つになっている。
執筆者:清水 大吉郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報