オニウムイオン

化学辞典 第2版 「オニウムイオン」の解説

オニウムイオン
オニウムイオン
onium ion

周期表15~17族元素の水素化物HnM(n = 1~3)にプロトン(H)が付加して生じる陽イオンHn+1M,あるいはこれらの基本イオン中の水素を一価の置換基(アルキル基ハロゲンなど)に置き換えた誘導体のこと.たとえば,アンモニウムH4N,オキソニウムH3O,ジメチルスルホニウム(CH3)2SH,テトラエチルアンモニウム(CH3CH2)4Nがある.R2C=N H2RC≡ Oのように,基本イオンに別の原子が二重結合または三重結合で置換した誘導体も含めることができる.炭素の陽イオンでも使われることがあり,少なくとも一つの五配位炭素をもつか,二電子二中心結合で説明できない構造をもつとき,オニウムイオンという.従来,三価の炭素陽イオンがカルボニウムイオンとよばれていたが,現在ではこれをカルベニウムイオンとよぶ.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android