オランダ建築(読み)オランダけんちく(英語表記)Dutch architecture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オランダ建築」の意味・わかりやすい解説

オランダ建築
オランダけんちく
Dutch architecture

オランダ建築は常に隣接諸国の影響下に発展している。最初期の建築は,カロリング期,ロマネスク期にさかのぼる。ゴシック期のユトレヒト大聖堂は,聖歌隊席部分しか完成されなかったが,オランダ建築の独自性の萌芽であった。しかしその後フランドルの影響が強まる。ルネサンス様式は,ボローニャのトマソ・ビンチドールによってブレダの城に移入されたが,H.ケイゼルによって確立された古典主義が,よりオランダ的な趣味として 17世紀初めより 19世紀まで持続している。 J.カンペンによるハーグのマウリッツハイスなどはその例である。煉瓦を用い,中庭をもった一般の建築も,伝統的なオランダ様式として注目される。 19世紀のロマン派建築は,P.カイペルスのアムステルダム国立美術館に代表される。 20世紀には H.ベルラーヘの影響下に「デ・ステイル」の運動が起り近代主義建築の母胎の一つとなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android