改訂新版 世界大百科事典 「カンペン」の意味・わかりやすい解説
カンペン
Kampen
オランダ中部,オーフェルアイセル州の都市。人口3万0353(1980)。アイセル川の河口左岸にあり,かつてはゾイデル海(現,アイセル湖)に面した商業都市として栄えた。近年はアイセル湖を干拓してできた大干拓地(北東ポルダー,フレーボラント)と内陸を結ぶ交通の要衝となっており,金属工業,造船業,印刷業,食品加工業などの工業都市でもある。都市としての成立は13世紀前半で,14世紀半ば以降ハンザ同盟の一員となり,おもにバルト海地方との貿易で発展した。1495年ドイツ皇帝マクシミリアンの時代に,帝国自由都市となった。中世にはアイセル川はゾイデル海とライン川を結ぶ最良の交通路であり,その河口に位置する市は商業都市として発展したが,16世紀半ば以降河口が土砂で埋まり,商業都市としての機能を失っていった。市内には公設秤量所など,史跡も多い。
執筆者:佐藤 弘幸
カンペン
Jakob van Kampen(Campen)
生没年:1595-1657
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報