食糧消費カロリーのうち畜産物カロリーをもとの飼料カロリーに換算して加えたもの。食品としての畜産物を得るためには,飼料として何倍かのカロリーが必要である。そのため,畜産物の摂取量が増加すれば,土地生産力がより多く必要となる。この飼料のカロリーを家畜に与えないで,もし人間が直接摂取するならば,カロリーベースではるかに多い人口を養いうることになろう。オリジナルカロリーは食糧の安全保障の観点から畜産物を生産するために必要な飼料のカロリーに注目し,食糧自給率をカロリーベースで比較するのに用いられる。しかし飼料の畜産物への転換効率は家畜や畜産物ごとに異なり,さらに人間が直接利用できない草などの熱量を畜産物につくりかえる家畜がいるので,この算出基礎は決定しにくい。そのため,オリジナルカロリーによる国際比較は現実には困難といわれている。FAO(国連食糧農業機構)では家畜全体としてこの転換効率を約15%と推定しているため,畜産食品のもつカロリーを7倍し,それに植物性食品のもつカロリーを加えて,国民1人当りのオリジナルカロリー摂取量とすることが多い。
執筆者:宮崎 昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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