カロリー(読み)かろりー(英語表記)calorie

翻訳|calorie

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー
かろりー
calorie

エネルギー単位は、物理学においてはジュールjouleが用いられるが、栄養学食品学においてはカロリーを用いている。1カロリー(cal)は、1気圧のもとで水1グラムの温度を14.5℃から15.5℃まで上げるのに必要なエネルギー量(熱量ともいう)である。しかしこの量は小さすぎて単位に用いるのに不便であるため、通常はその1000倍のキロカロリー(kcal)を常用単位として用いている。以前はキロカロリーのことを大カロリーまたは単にカロリーとよんでいたが、最近はキロカロリーとよぶことに統一されている。単位の国際規約によれば、エネルギーの単位は将来すべてジュールに統一することになっているので、日本などではカロリーとジュールの併記が行われている。1キロカロリーは4.184キロジュールに換算すればよい。日本では厚生労働省が健康な人を対象とした「日本人の栄養所要量」を5年ごとに改定し発表している。第6次改定(使用期間2000~2004年)では、30~49歳の1日のエネルギー所要量を、生活活動強度が「やや低い」場合は男で2250、女で1750キロカロリー、「適度」な場合は男で2550、女で2000キロカロリーとしている。

[宮崎基嘉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー
calorie

熱量の単位。記号は cal。分野に応じて各種の数値が規定されて混乱が著しく,SIでは単位ジュールを用い,カロリーの使用を認めていない。単位名はラテン語のカロール (温熱) に由来する。
(1) 温度指定のカロリー 1気圧のもとで水1 g の温度を ( t-0.5 ) ℃から ( t+0.5 ) ℃上げるのに要する熱量。すなわち t ℃における水の比熱で,calt と表記する。たとえば 1cal15 は水カロリーとも呼ばれ,4.1855Jである。
(2) 温度指定のないカロリー 日本の計量法の規定では1カロリーは 4.18605Jである。
(3) 国際蒸気表カロリー  calIT と表記し,1カロリーは 4.1868Jである。
(4) 平均カロリー  cal と表記する。1カロリーは 4.1897Jで,1気圧のもとで水 1g を0℃から 100℃まで上げるのに要する熱量の 100分の1である。
(5) 熱化学カロリー  calthermochem と表記し,1カロリーは 4.1840Jである。
(6) 大カロリー 記号は Cal。栄養学で食品体内で発生する熱量を表わす単位で,平均カロリーの 1000倍である。

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