カロリー(その他表記)calorie

翻訳|calorie

デジタル大辞泉 「カロリー」の意味・読み・例文・類語

カロリー(calorie)

熱量単位。1カロリーは純粋の水1グラムの温度を1気圧もとでセ氏14.5度から1度だけ上げるのに必要な熱量で、4.1855ジュール小カロリー記号cal →ジュール
栄養学で、摂取した食べ物を消費する際の熱量。ふつう、1の1000カロリーを1カロリーとする。記号kcal, Cal キロカロリー大カロリー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「カロリー」の意味・読み・例文・類語

カロリー

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Kalorie [英語] calorie, calory ) 熱量の単位。
  2. 一グラムの水の温度を一度高めるのに要する熱量。記号 cal に対しては「小カロリー」という。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
  3. 食品が完全に消化された時に出る熱量をはかる単位。の一〇〇〇倍。記号 kcal または Cal 小カロリーに対しては「大カロリー」という。キロカロリー。
    1. [初出の実例]「三千五百カロリーの熱量を有する食物」(出典:貧乏物語(1916)〈河上肇〉一)
  4. 食品を、それが体内で消化された時に出す熱量の面からとらえたことば。また、食品を消化して得られるエネルギー
    1. [初出の実例]「一時間毎に失って行くカロリーの量は、其の仕事や動作の如何によって甚しい増減を見るものだといふ」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー
calorie

熱量の単位。ラテン語calor(熱)に由来する。1850年ごろから用いられてきたが,以下に示すとおり,その内容は単純でないし,国際単位系原則とも合わないので推奨しがたい単位である(国際単位系での熱量の単位はジュール(J)である)。(1)計量法では,温度を指定しないときのカロリー(記号cal)は4.186 05Jに等しく,温度t℃を指定したときのカロリー(calt)は,標準の気圧で質量0.001kgの水の温度を,(t-0.5)℃から(t+0.5)℃まであげる熱量に等しいとする。(2)15℃カロリー(cal15)は,前記の水の温度を,(15-0.5)℃から(15+0.5)℃まであげる熱量で,ほぼ4.185 5Jに等しい。(3)国際蒸気表会議が採用したカロリー(calIT)は,4.186 8Jに等しい。(4)熱化学カロリー(calth)は,4.184Jと評価される。

 なお,1000カロリーは1キロカロリー(記号kcal)といい,記号Calで表し大カロリーということもあり,栄養学では大カロリーを単にカロリーという。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー
かろりー
calorie

エネルギーの単位は、物理学においてはジュールjouleが用いられるが、栄養学、食品学においてはカロリーを用いている。1カロリー(cal)は、1気圧のもとで水1グラムの温度を14.5℃から15.5℃まで上げるのに必要なエネルギー量(熱量ともいう)である。しかしこの量は小さすぎて単位に用いるのに不便であるため、通常はその1000倍のキロカロリー(kcal)を常用単位として用いている。以前はキロカロリーのことを大カロリーまたは単にカロリーとよんでいたが、最近はキロカロリーとよぶことに統一されている。単位の国際規約によれば、エネルギーの単位は将来すべてジュールに統一することになっているので、日本などではカロリーとジュールの併記が行われている。1キロカロリーは4.184キロジュールに換算すればよい。日本では厚生労働省が健康な人を対象とした「日本人の栄養所要量」を5年ごとに改定し発表している。第6次改定(使用期間2000~2004年)では、30~49歳の1日のエネルギー所要量を、生活活動強度が「やや低い」場合は男で2250、女で1750キロカロリー、「適度」な場合は男で2550、女で2000キロカロリーとしている。

[宮崎基嘉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー
calorie

熱量の単位。記号は cal。分野に応じて各種の数値が規定されて混乱が著しく,SIでは単位ジュールを用い,カロリーの使用を認めていない。単位名はラテン語のカロール (温熱) に由来する。
(1) 温度指定のカロリー 1気圧のもとで水1 g の温度を ( t-0.5 ) ℃から ( t+0.5 ) ℃上げるのに要する熱量。すなわち t ℃における水の比熱で,calt と表記する。たとえば 1cal15 は水カロリーとも呼ばれ,4.1855Jである。
(2) 温度指定のないカロリー 日本の計量法の規定では1カロリーは 4.18605Jである。
(3) 国際蒸気表カロリー  calIT と表記し,1カロリーは 4.1868Jである。
(4) 平均カロリー  cal と表記する。1カロリーは 4.1897Jで,1気圧のもとで水 1g を0℃から 100℃まで上げるのに要する熱量の 100分の1である。
(5) 熱化学カロリー  calthermochem と表記し,1カロリーは 4.1840Jである。
(6) 大カロリー 記号は Cal。栄養学で食品が体内で発生する熱量を表わす単位で,平均カロリーの 1000倍である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「カロリー」の解説

カロリー
カロリー
calorie

熱量の単位.記号 cal.古くからいくつかの定義があるが,純粋な水1 g を1 atm の下で,温度を14.5 ℃ から15.5 ℃ まで上昇させるのに要する熱量とする定義(いわゆる15度カロリー)が長い間用いられてきた.しかし,最近は国際単位系(SI単位)のエネルギーの単位であるジュール(J)にもとづいて,

1 cal = 4.184 J
とする定義が広く用いられるようになった.厳密を要する場合には熱量の単位として cal は用いず,J を用いることになっている.栄養学で用いているカロリーは大カロリー(1 Cal = 1000 cal)のことである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「カロリー」の意味・わかりやすい解説

カロリー

熱量の単位。記号cal。1気圧のもとで水1gの温度を14.5℃から15.5℃まで上げるのに要する熱量。1calは4.1855Jに等しい(熱の仕事当量)。計量法では温度を指定しないときは1cal=4.18605Jとする。また1000calをキロカロリーまたは大カロリーといい,記号kcalまたはCal。栄養学等ではキロカロリーを単にカロリーという。
→関連項目熱量

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

単位名がわかる辞典 「カロリー」の解説

カロリー【calorie/calory】

➀熱量の単位。一般には、1気圧のもとで、純水1gの温度を14.5℃から15.5℃まで1℃上げるのに要する熱量。記号は「cal」。1calは約4.18ジュール。◇「小カロリー」ともいう。
➁栄養学で使われた熱量の単位。記号は「Cal」。◇「大カロリー」ともいう。人が1日の日常生活を営むのに必要な熱量は、成人1人あたり平均2300~2400Calである。現在は、kcalを使う。◆名称は、ラテン語のcalor(熱)にちなむ。

出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「カロリー」の解説

カロリー

 (1) エネルギーの単位.1calは,1gの水を14.5℃から15.5℃まで1度上昇させるエネルギー.近年SI単位であるJ(ジュール)を使うことが推奨されているが,栄養学ではわかりやすいのでいまだにカロリーが使われることが多い.1cal=4.184Jである.(2) 転じてエネルギーをいう場合もある.

カロリー

 キロカロリー,大カロリーともいう.エネルギーの単位でカロリーの1000倍の量.1kcalは,1kgの水を14.5℃から15.5℃まで,1℃上昇させるエネルギー.1kcal=4.184kJである.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカロリーの言及

【栄養】より

…そのため,副腎皮質ホルモンの分泌を盛んにさせるストレスの増加や喫煙は,ビタミンCをより多く消耗させるといわれている。ビタミン
【カロリーと栄養所要量】
 栄養素のエネルギー量は普通熱量の単位で表され,カロリー(大カロリー)が用いられる。すなわち1kgの水を1℃だけ温度を上げるのに要する熱量が1Calで,物理学でいうカロリー(小カロリー)の1000倍,1kcalに相当する。…

※「カロリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android