…その中の《牡丹灯記》は,山東京伝,鶴屋南北も脚色しているが,明治の人情噺の名人三遊亭円朝が《怪談牡丹灯籠》として創作した。麴町の旗本飯島平左衛門の娘お露は,萩原新三郎に恋をしたが,父に許されず,こがれ死にして幽霊となり,毎夜牡丹灯籠をさげて新三郎のもとへ通った。その怪談に,飯島家の忠僕黒川孝助が平左衛門の妾お国の密通をあばく筋と,萩原家の下男伴蔵がお露の幽霊をおどかして百両をとるという悪事の筋とをからませた。…
※「お露」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」