改訂新版 世界大百科事典 「カエデ糖」の意味・わかりやすい解説
カエデ(楓)糖 (かえでとう)
maple sugar
サトウカエデの樹液から作られる砂糖で,別名メープルシュガーという。サトウカエデはカナダ,北アメリカの北東部に植林されている高木で,初春のころ,樹幹に直径1cm,深さ4cmくらいの穴を数ヵ所あけて,管をさし込み,その先端にブリキ缶をつるす。1本の木から3週間くらいの間で,3~5%の砂糖を含む樹液が50~100l得られる。これを濃縮して,メープルシロップ,さらに蒸発濃縮して,メープルシュガーを得る。メープルシュガーははちみつのような良い風味をもつのでテーブルシュガーおよび菓子原料用に珍重されるが,高価なために,最近は普通の砂糖にメープリンなどの人工香料を加えたものが市販のほとんどである。1kgのメープルシュガーを製造するのに約40lの樹液を必要とするので生産性は高いとはいえない。
執筆者:貝沼 圭二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報