食の医学館 「はちみつ」の解説
はちみつ
《栄養と働き&調理のポイント》
はちみつは蜜蜂(みつばち)が花の蜜を体内の酵素で分解した、天然の甘味料です。古代から人類は、はちみつを神聖な食べものとして愛好してきました。
○栄養成分としての働き
はちみつの甘みの主要成分は果糖とブドウ糖で、ほかにオリゴ糖も含まれています。このうち果糖とブドウ糖は、すばやく体内へ吸収できるのが特徴。そのため、疲労倦怠(ひろうけんたい)時に摂取すれば、極めてスピーディーに回復効果が現れます。
〈オリゴ糖が腸内の善玉菌をふやす〉
オリゴ糖は腸内の善玉菌の増加をうながして、便秘(べんぴ)や下痢(げり)を解消し、老化やがんの予防にも有効です。
そのほかにもはちみつには、腸内環境をよくするグルコン酸や鉄、亜鉛(あえん)、銅をはじめとする、さまざまなミネラルや有益な微量成分が含まれています。はちみつは、花の種類によってさまざまですが、そばなど鉄分の多いはちみつほど色が濃く感じます。
これらの働きにより、肌を潤して美容にもよいとされています。お湯に溶かして飲めば、のどの痛みやせきをやわらげるのにも役立ちます。
はちみつは甘みが強いので、料理に使うときは量をひかえめにしましょう。
保存は冷暗所なら半永久的に大丈夫で、結晶してもあたためればもとにもどります。