日本大百科全書(ニッポニカ) 「カキノヘタムシ」の意味・わかりやすい解説
カキノヘタムシ
かきのへたむし / 柿蔕虫
persimon fruitmoth
[学] Stathmopoda masinissa
昆虫綱鱗翅(りんし)目ニセマイコガ科に属するガ。はねの開張14~19ミリメートル。はねは非常に細長く、体は黒色で、前翅外縁近くに黄白色帯がある。縁毛ははねの幅ぐらい長く、後脚脛節(けいせつ)に長毛を密生している。幼虫はカキの害虫としてもよく知られており、体長10ミリメートル内外の濃赤色を帯びたイモムシで、年2回発生。第1世代の幼虫は6~7月に、第2世代の幼虫は7~10月に出現する。果実に食入して落果させるが、芽に侵入して食害することもある。成虫は5~6月ごろと7~8月に羽化し、越冬は老熟幼虫で繭の中で行われる。本州以南に分布し、台湾、中国、スリランカにも産する。成虫はカキノヘタムシガ、またはカキミガともよばれる。
[井上 寛]