日本大百科全書(ニッポニカ) 「カスティーヤ」の意味・わかりやすい解説
カスティーヤ
かすてぃーや
Ramón Castīlla y Marquesado
(1797―1867)
ペルーの軍人大統領。独立戦争に騎兵隊を率いて参加し、とくにフニンの戦いを勝利に導いた。その後、生地タラパカの副知事、ガマラ政権の陸・海相、蔵相を歴任し、1845~51年、55~62年の2期大統領を務めた。最初の政府予算の作成、国勢調査の実施、公民教育の充実、軍備増強に努め、51年に南アメリカ最初の鉄道をリマ―カヤオ間に敷設、国家的基礎の確立に寄与した。また47年に第1回米州会議を開催、54年に当時のエチェニケ政権への反乱の途次、奴隷解放と原住民貢納の廃止を宣言した。さらに60年には憲法の制定によって大統領権限を強化し、ペルーでは「偉大な解放者」とよばれている。
[辻 豊治]