カタルニャ自治運動(読み)カタルニャじちうんどう(その他表記)Catalanismo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カタルニャ自治運動」の意味・わかりやすい解説

カタルニャ自治運動
カタルニャじちうんどう
Catalanismo

スペインの北東部カタルニャ地方の自治運動。この地方はスペイン中央部とは経済的にも文化的にも異なり,19世紀末頃から自治運動が絶えなかった。 1923年再び自治運動が高まり,31年4月の地方選挙後カタルニャ自治政府の樹立を宣言。このときスペイン全土でも共和派が大勝し国王は亡命,31年共和憲法によって地方自治が承認され,32年9月カタルニャ自治法によって自治州と認められた。しかし 34年 10月耕作法をめぐって中央政府と対立,カタルニャは独立を宣言したがすぐに軍隊によって鎮圧され,自治法は停止された。スペイン内乱中もカタルニャと中央政府との対立が続き「内戦中の内戦」が展開されたが,39年の F.フランコの勝利で自治運動も不可能となった。しかし,75年のフランコ総統の死後,77年に中央政府の了解のもとに臨時自治政府が成立,78年の新憲法によって正式に自治が認められた。中心都市はバルセロナ。 80年の第1回自治州議会選挙以来,穏健派連合が過半数を制してきた。 92年3月の自治州議会選挙では独立を標榜するカタルニャ共和左翼党が野党第2党に進出したが,穏健派連合優位の構図に大きな変化はない。

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