大学事典 「カターニア大学」の解説
カターニア大学[イタリア]
カターニアだいがく
シチリア島の商業都市カターニアにある国立総合大学。1434年にアラゴン王アルフォンソ5世によって大学と承認され,同年が設立年とされるが,正式な大学になったのは1444年の教皇エウゲニウス4世の設立教書による。シチリアで最も古い大学であったが,16世紀までは比較的弱体であった。17世紀には若干の評判を得て,1693年の大地震のあとに現在の大学本部が建設された。1737年にシチリア総督によって伝統的な諸特権が再確認されるとともに,79年には学生学頭職(イタリア)が廃止されるなど,以後改革がおこなわれて,法学と医学を中心に30もの講座が開講され,学生数も2000人に達した。しかし,19世紀初期にはパレルモやメッシーナに大学が設立されたために,急激に学生数も減少した。イタリア統一の前後も政情の影響で大学は低迷したが,第2次世界大戦後は,他大学と連携をはかるなど南部イタリアの中核大学の一つとなった。2011年には22学科,正教授424人,准教授417人,研究員600人,2015/16年の登録学生数約4万4000人。
著者: 児玉善仁
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報