シチリア(その他表記)Sicilia[イタリア],Sicily[英]

デジタル大辞泉 「シチリア」の意味・読み・例文・類語

シチリア(Sicilia)

イタリア半島の南にある地中海最大の島。レモンオレンジアーモンドなどを産する。古代からギリシャカルタゴローマ帝国などの支配を受け、1861年にイタリア王国に編入された。面積約2万5500平方キロメートル。英語名シシリー
シチリア島と周辺島嶼からなるイタリア自治州。経済面で北部諸州に遅れをとるが、独自の文化があり、農産物が豊かで観光客を集める。アグリジェント県・エンナ県・カターニア県・カルタニセッタ県・シラクサ県・トラパニ県・パレルモ県・メッシーナ県・ラグーザ県がある。州都パレルモ

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精選版 日本国語大辞典 「シチリア」の意味・読み・例文・類語

シチリア

  1. ( [イタリア語] Sicilia ) イタリア半島の先端部とメッシーナ海峡を隔てて対する地中海最大の島。イタリア共和国の自治州。州都はパレルモ。レモン、オレンジ、アーモンドなどを産する。シシリー。

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百科事典マイペディア 「シチリア」の意味・わかりやすい解説

シチリア[島]【シチリア】

英語ではシシリーSicily。イタリア南端,アフリカとの間にある地中海最大の島。狭いメッシナ海峡を隔ててイタリア本土と対するイタリアの一州。アペニン山脈の延長部で,波状丘陵をなし,北東部にネブロディ山脈がある。東岸中央部,カタニア付近に平野開け,その北にエトナ山がそびえる。典型的な地中海式気候で沿岸部ではブドウ,オリーブ,オレンジ,レモンの栽培が行われる。硫黄石油産出もある。内陸部は大土地所有が支配的で穀作と牧羊が行われる。大借地人層が土地の管理と治安の維持にあたったため,マフィアが出現する要因となったと考えられる。19世紀末から第1次世界大戦までの間に100万を超す移民が米国へ渡り,1950年代後半からは大量の北イタリアへの移民が生じた。政府の種々の改善策にもかかわらずシチリア経済は困難から脱出していない。自然の景観に恵まれ,歴史的遺産も多く,近年は観光地化が進展している。名は先住民であるシケロス人に由来し,古代フェニキア人の貿易拠点であったが,前8世紀ころギリシア人が植民市を建設。次いでカルタゴ,ローマ,ビザンティン,イスラム勢力などの支配を経て,12世紀にシチリア王国成立。1282年から1860年にガリバルディ千人隊に解放されるまで主にスペインのアラゴン王家,ブルボン王家の支配下にあった。1861年イタリア王国に併合。州都パレルモ。2万5708km2。500万2904人(2011)。
→関連項目イタリアカターニアシラクザメッシナ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「シチリア」の解説

シチリア
Sicilia[イタリア],Sicily[英]

地中海最大の島。現在,イタリア共和国のシチリア自治州を構成する。中心都市はパレルモ。地中海の中心という戦略的に重要な場所に位置しているため,この島は古来より覇権争奪戦の焦点となり,さまざまな民族や国の支配を受けてきた。主なものだけでも,カルタゴ,ローマ,ヴァンダル東ゴートビザンツ帝国アラブノルマン神聖ローマ帝国(ドイツ),フランス(アンジュー家),アラゴン王国,イタリアをあげることができる。しかし,同時に,この島は,異文化の十字路となり,さまざまな文化的背景を持つ人々が接触,交流する場ともなってきた。その複雑な歴史のなかで,シチリアが黄金時代を迎えたのは,9~12世紀のアラブ,ノルマン支配下においてだった。シチリアは,アラブ人たちの手で農業と商業で栄える豊かなイスラーム教徒の島へと変貌し,12世紀には異文化が併存する豊かで強力なノルマン・シチリア王国となった。13世紀前半には神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世のもとで再び繁栄を迎えたが,その後,アンジュー家,アラゴン王家,オーストリア・ハプスブルク家,スペイン・ブルボン家などの支配をへて,1861年イタリア王国に統合された。

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