ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カダル派」の意味・わかりやすい解説
カダル派
カダルは
Qadarīyah
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…このように,ムスリム多数の信仰に立脚するスンナ派は,イスラム学者H.ギブの指摘するとおり,〈意見の相違は信仰の内容を豊かにするもので,むしろ神の恩寵であるとする寛容さ〉を特徴とする。カダル派,ムータジラ派は最終的にはスンナ派に吸収され,哲学は方法論を,神秘主義は人格的な霊的体験を提供し,あげてスンナ派の信仰内容を豊富にすることに奉仕した。〈神は唯一にして,ムハンマドは神の使徒である〉という簡潔なシャハーダ(信仰告白)こそ,スンナ派の寛容さを端的に物語る。…
…最初の指導者アブド・アッラーフ・ブン・イバード‘Abd Allāh b.Ibād(生没年不詳)の名によって名づけられたハワーリジュ派の穏健な一派。彼らはイブン・アッズバイルの支配を受け入れてバスラにとどまり,第2次内乱の平定(692)後はウマイヤ朝の支配を甘受した。またタキーヤ(危害を恐れて信仰を隠すこと)を認め,コーランにハッドと定められた罪を犯した者はムーミン(信者)ではないが,ムワッヒド(一神教徒)であるとして,同じイスラム教徒としての共通性を重視した。…
※「カダル派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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