しゅく‐めい【宿命】
〘名〙 (「めい」は「命」の
慣用音) 生まれる以前から定まっている
運命。
宿運。しゅくみょう。〔哲学字彙(1881)〕
※
侏儒の言葉(1923‐27)〈
芥川龍之介〉宿命「宿命は後悔の子かも知れない。━或は後悔は宿命の子かも知れない」
[補注]近代以前は仏語として「しゅくみょう」と読まれていたが、今日一般に用いられる「しゅくめい」とは意味にずれがあり、「しゅくめい」は明治開化期のいわゆる「新漢語」と思われる。
しゅく‐みょう ‥ミャウ【宿命】
① 仏語。
宿世の生命。前世の生命。過去世での受報の差別・善悪
苦楽などの総称。しゅうみょう。
※往生要集(984‐985)大文二「無量宿命之事、如二今日所一レ聞、六道衆生之心、如二明鏡所レ見像一」
※正法眼蔵(1231‐53)袈裟功徳「三明とは、天眼・宿命・漏尽なり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
宿命
仏教用語でいうところの因縁因果であり、生まれながらに定められた変えることのできない資質のこと。出生時間や性別、環境など、個人では選べない種類のものともいえる。様々な解釈、思想があるので一概にはいえない。
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しゅくめい【宿命】[書名]
《原題、〈イタリア〉Fatalità》イタリアの女流詩人・小説家、ネグリの処女詩集。1892年刊行。
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世界大百科事典内の宿命の言及
【運命】より
…一般に,人間に与えられた逃れることのできないさだめを意味する語。宿命とほぼ同義。ラテン語の運命は〈ファトゥムfatum〉だが,そのもとの意味は〈言われたこと〉であり,運命という考えは予言や言葉の魔力に対する信仰に裏づけられて発生したらしい。…
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