宿命(読み)シュクメイ

デジタル大辞泉 「宿命」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐めい【宿命】

生まれる前の世から定まっている人間運命宿運。しゅくみょう。「海に生きる宿命にある」「つらい宿命を負う」
[補説]書名別項。→宿命
[類語]宿運定め運命運勢命運天運天命巡り合わせ回り合わせ星回り命数暦数時運因縁

しゅくめい【宿命】[書名]

原題、〈イタリアFatalità》イタリアの女流詩人・小説家ネグリの処女詩集。1892年刊行。

しゅく‐みょう〔‐ミヤウ〕【宿命】

仏語前世における善悪苦楽などの状態
しゅくめい(宿命)

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精選版 日本国語大辞典 「宿命」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐みょう‥ミャウ【宿命】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「みょう」は「命」の呉音 )
  2. 仏語。宿世生命。前世の生命。過去世での受報の差別・善悪苦楽などの総称。しゅうみょう。
    1. [初出の実例]「無量宿命之事、如今日所一レ聞、六道衆生之心、如明鏡所見像」(出典往生要集(984‐985)大文二)
  3. しゅくみょうつう(宿命通)」の略。
    1. [初出の実例]「三明とは、天眼・宿命・漏尽なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)袈裟功徳)
  4. しゅくめい(宿命)

しゅく‐めい【宿命】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「めい」は「命」の慣用音 ) 生まれる以前から定まっている運命。宿運。しゅくみょう。〔哲学字彙(1881)〕
    1. [初出の実例]「宿命は後悔の子かも知れない。━或は後悔は宿命の子かも知れない」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉宿命)

宿命の補助注記

近代以前は仏語として「しゅくみょう」と読まれていたが、今日一般に用いられる「しゅくめい」とは意味にずれがあり、「しゅくめい」は明治開化期のいわゆる「新漢語」と思われる。

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占い用語集 「宿命」の解説

宿命

仏教用語でいうところの因縁因果であり、生まれながらに定められた変えることのできない資質のこと。出生時間や性別環境など、個人では選べない種類のものともいえる。様々な解釈思想があるので一概にはいえない。

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デジタル大辞泉プラス 「宿命」の解説

宿命

東野圭吾の長編推理小説。1990年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内の宿命の言及

【運命】より

…一般に,人間に与えられた逃れることのできないさだめを意味する語。宿命とほぼ同義。ラテン語の運命は〈ファトゥムfatum〉だが,そのもとの意味は〈言われたこと〉であり,運命という考えは予言や言葉の魔力に対する信仰に裏づけられて発生したらしい。…

【ギリシア映画】より

…さらに彼はアンソニー・クインで《その男ゾルバ》(1965)を撮り,キャンディス・バーゲンで《魚が出てきた日》(1967)を撮ったが,彼の作風はしだいにギリシアの現実をはなれ,ハリウッド資本に頼ったこともあって一種の観光映画にすぎないとの評も出た。一方,マッカーシイズムでアメリカを追われたダッシンJules Dassinが,ギリシアにきてメリナ・メルクーリの主演で撮った一連の映画,《宿命》(1956),《日曜はダメよ》(1960),《死んでもいい》(1962)などがギリシア映画と呼べるか否かは微妙である。コスタ・ガブラスCosta‐Gavras監督にも似たような問題があり,このフランスで育ったギリシア人の傑作《Z》(1968)は,現実にギリシアで起こった政治家暗殺事件についてのギリシアの作家バシリコスVasílis Vasilikósの小説を原作としているが,舞台は架空の国である。…

※「宿命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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