カナダ第一運動(読み)カナダだいいちうんどう(その他表記)Canada First Movement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナダ第一運動」の意味・わかりやすい解説

カナダ第一運動
カナダだいいちうんどう
Canada First Movement

カナダ連邦第一主義運動とも呼ばれる。 19世紀後半,コンフェデレーション直後のカナダで,オタワに住む5人の若いカナダ人が起したカナダ初のナショナリズム運動。 1868年 H.モーガン,C.メヤー,G.デニソン,T.ハリバートン,W.フォスターは,カナダの国家としての自覚,カナダ独自の文学,芸術を育成することにより,真の独立国家としての位置を獲得しようとさまざまに運動を始めた。この人々の活動がカナダ第一運動と呼ばれたのは,メンバーの一人であるフォスターが 71年に「カナダ第一,あるいはわれわれの新しい国民性について」という講演を行なったことに由来する。彼らの活動の本拠トロントに移ってナショナル・クラブを創設し,雑誌『ネイション』を刊行した。 E.ブレークも一時カナダ第一運動を支援したが,彼がこの運動を離れて自由党へ復帰した 76年頃から,運動は衰えをみせた。カナダ第一運動は建国期のカナダにあって,人々の愛国的感情を呼起すのに貢献し,1880年代には,カナダ文学の初の開花が訪れた。 J.A.マクドナルドによる国策実現もこうした精神的土壌のうえに可能であったと考えられる。

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