翻訳|Toronto
カナダ最大の都市で人口約612万。五大湖に面し、米国の工業都市との交流が盛んで商業都市として発展した。今月22、23日両日の日程で先進7カ国(G7)外相会合が開かれた。米大リーグのブルージェイズ、北米プロアイスホッケーNHLのメープルリーフスがそれぞれ本拠地を置く。(共同)
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カナダ、オンタリオ州の工業都市で、同州の州都。オンタリオ湖北西岸に位置する。人口248万1494、大都市圏人口468万2897(2001)はカナダ第一である。うち61%がイギリス系で、ほかにイタリア系8%、東欧系7%などヨーロッパ、アジア、中南米各地からの移住者がおり、人種のるつぼとなっている。しかし、フランス系のモントリオールに対するイギリス系都市としての意識は強い。日系人も多く、週刊の邦字新聞も2紙発行されている。カナダでも南に位置し、1月の平均気温は零下6.7℃とかなり温和である。五大湖沿岸工業地域のカナダ側の中心都市で、ナイアガラ滝からの豊富な電力を利用して車両工業、農業機械工業、電気化学、冶金(やきん)などが発達している。ほかに食品加工、印刷、縫製などの加工工業の一大中心地でもある。航洋船が入港できる港をもち、港からは穀物類や食肉、木材などを輸出している。
フランス人の古い交易所であるフォールルーイエにイギリス人が1793年に建設し、かつてはヨークとよばれていた。1834年の市制施行とともにインディアン語で「集会の場所」の意の現名称となる。当時の人口は1万人足らずであったが、交通上の要地と後背地の経済発達のおかげで急速に発展し、1867年7月1日カナダ連邦が誕生すると同時にオンタリオ州の州都となった。市街地は直交状街路で、大小の美しい公園が散在する。1827年創立のトロント大学、セント・ジェームズ寺院、セント・ミカエル寺院、堡塁(ほうるい)など名所となっている。中心商店街はヨング街とよばれ、一年中活気を呈している。市街南端の湖畔には95万平方メートルの敷地につくられた国民展示会の会場があり、ここでは毎年6月に国際貿易博覧会、8月末に工業博覧会、11月に農業博覧会が開かれることで世界的に有名である。付近には遊園地、公園、野外音楽場などを備え、オンタリオ・プレイスとして市民の憩いの場となっている。また、トロント・アイランドは一大公園である。市のもう一つの名所は市庁舎で、旧トロント市と大都市圏の行政庁を示す二つの建物は互いに補い合う形をとり、広場は冬季市民のスケートリンクとなっている。文化、政治、経済とあらゆる面での中心地である。
[山下脩二]
カナダ,オンタリオ州の州都。大都市域人口530万(2005)で,イギリス系カナダ最大の都市。五大湖の一つ,オンタリオ湖の北西岸にある。カナダの工業,金融,マスコミの中心都市。カナダで最も南に位置し,かつ湖に囲まれたオンタリオ州の南部にあるため,1月の平均気温はモントリオールの-9.6℃に対し,-5.8℃でかなり条件がよい。この地へ入った最初の白人はフランスの毛皮商人で,1750年にはフランス人によって砦がつくられた。定住集落ができたのは96年で,当時アッパー・カナダと呼ばれたイギリス支配のオンタリオ地方の行政中心地としてヨークYorkと呼ばれた。1834年にトロントと改名された。67年,カナダ自治領の成立にともない州都となった。19世紀末から工業が発展し,両大戦間の時期に商工業都市としてさらに急速な成長をとげ,ヨーロッパからの移民も急増した。ケベック州の分離独立運動やケベック(フランス)化運動により,モントリオールのイギリス系企業や住民がトロントへ移りつつあることも,この都市に活力を与えている。1959年,セント・ローレンス水路の完成により大型船が進入可能となっている。都心には高層建築が林立し,地下街・通路が張りめぐらされている。地下鉄も発達している。トロント大学,ヨーク大学所在地。博物館も多い。
執筆者:正井 泰夫
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ケベック植民地へ入植した人びとは五大湖周辺に居住したが,荘園主や教会の影響濃厚な政治・経済形態を忌避し,1791年,〈憲法条例〉の制定により,ケベックはアッパーおよびロワー・カナダ植民地に二分され,アッパー・カナダではイギリス式の代議制,土地制度が導入された。ヨーク(現,トロント)を中心に発展した植民地は,19世紀前半多くのイギリス系移民を迎え,カナダにおけるイギリス系文化の温床となり,教育制度も充実した。植民地の成熟に伴い,植民地の支配層である〈家族盟約〉を打倒しようとする抵抗運動が起こり,1837年のW.L.マッケンジーの反乱をみるが,この結果41年両カナダは統合され,アッパー・カナダは連合カナダ植民地の一行政区カナダ西部に再編された。…
※「トロント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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